本のジャンル #仕事美辞外伝03

2冊目を作りましょうという話に編集さんとなったとき、最初はもっと美容寄りの本を作ろうと考えていました。

本にはジャンルというものがあります。ジャンルによって、本屋のどの棚に置くのかが決まるわけですが、1冊目の『「美しい」のものさし』は、よくわからないライターが書いたエッセイであり、美容本でもなければ、インフルエンサー本でもなく、入荷したはいいもののどこに置けば?と思われた本屋さんもたくさんあったのではないでしょうか。その反省(?)を活かして、2冊目は迷うことなく美容本のコーナーに置いてもらえるように、と思ったんですね。

しかし私は美容家ではなく、人の数だけ美容の方法もあると思ってるタイプの人間なので、自分で歯切れのよい美容メソッドをまとめて提案することは、できるだろうか、ちょっと自信がありません。そこで考えたのが、美容賢者に話を聞く、対談本です。素敵だなと思う人に私が話を聞いて、だからこんな美しさが構築できたんだ!と腹落ちするような感じの本と申しますか。もちろん頭のなかには平松洋子さんの『食べる私』があったと思います。自分のインタビュー力を試したい。そして、私もあんなふうに、いろんな人に素敵な話をしてもらいたい!(←こうして文字にすると、あまりに幼稚)

そんなふうに思っていたのですが、ちょうどその頃、著名な文筆家の方が美容対談本を出されたんです。これより面白そうな本には、絶対できない気がする……と意気消沈するにじゅうぶんなものでした。落ち込んでいたところ、ふと仕事についての本はどうかな?と思ったんですね。

最初にヒントとなったのは、インスタグラムで不定期に行っている100問100答です。そして同時に思ったのが、これまで私は「どうして生まれてきたのだろう」とか「どんなことが私の使命なのだろう」みたいなことをずっと考えてきていて、それは自分探しという言葉がぴったりではあるんですが、結局のところ「どういう生きかたがいいのだろうか?」という話であって、100問100答に来ているお悩みも、結構似たようなところがあったりするんですよね。そういう話題が好きだから、答えるのが楽しいんだろうなと。

48歳になっても似たようなこと(どんなことが私の使命なのだろう、的な)を考えている部分はあるのですが、さすがに20歳のときに比べるとわかっていることもあって、じゃあその違いって何かというと、仕事の経験を通して培ってきた価値観が確立されているかどうかなのかなと。それをまとめてみることで、昔の私と同じように悩んでいる人や、ここに来てふとこれでよかったんだっけ?と立ち止まる人の、考えるヒントみたいなものになるかもしれないと思いました。

編集さんにその話をしたら「いいですね」と言ってくださり、進行していったわけですが、結局「この本ってどのコーナーに置くものなんだろう」とまた書店さんが悩んでしまうような本になってしまいました。働きかたは生きかたであり、美しさを作るもの。だから『仕事美辞』は、私が美容本を書くなら?のひとつの答えとも言えるのですが、だからといってこれを美容本で通すのは無理がある気がします。

ビジネス書のコーナーに置かれることもあるのかな。エッセイのコーナーかな。どんな場所でも、うれしいです。

しかし、ビシッとわかりやすいもの、キャッチーなものを作ることができない人間なんだなとつくづく思うのでした。さすがに個性として受け入れてはいるのですけど。

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